僕とシッポと神楽坂8話・最終回|あらすじネタバレ
投稿日:2018年12月2日 更新日:
ある日、若き獣医師である高円寺達也(相葉雅紀)は務めていた大学病院を辞め、尊敬する徳丸善次郎(イッセー尾形)とともに働くべく、東京・神楽坂の「坂の上動物病院」を訪れます。
しかし、そこに医院長である徳丸の姿はありません。
「僕とシッポと神楽坂」は、達也がたった一人で小さな一つの動物病院を任される、そんなシーンから始まります。
動物病院を訪れるペットの飼い主、ともに働くようになる仲間たち、神楽坂にある実家の家族や芸者さんたち、そして「シッポ」(達也は患畜をそう呼ぶ)の、温かく真剣な関わり合いが描かれます。
そんな物語も今回で最終回となりました。達也とトキワの関係も、いよいよクライマックスを迎えます。
迷い犬タロウ
ある日、ダイキチ(達也の飼い犬)が庭を気にするそぶりを見せたので、達也が窓を開けて外を確認すると、一匹の迷い犬が飛び込んできた。
達也は犬の飼い主を見つけるために町中に張り紙を張ったが、それを一枚ずつはがして回る一人の女性の姿が。
女性はイサカと名乗り、迷い犬の名はタロウといった。
タロウはもともとイサカの母の飼い犬だったが、現在は寝たきりの母に変わってイサカが世話をしていた。
達也は、母の自宅介護と認知症のため昼夜問わず鳴き続けるタロウの世話で、心身ともに疲労困憊した様子のイサカを、何とか救うことができないかと検討していたが、その思いはイサカになかなか届かなかった。
そんな中、イサカがうたた寝した隙に脱走したタロウが交通事故にあい、後ろ足を骨折してしまう。
「私が目を離したからだ」「タロウは何も悪いことをしていないのに」と自分を責めるイサカの手を握り、「イサカさんの気持ちは受け取りました。頑張ります。」と手術に挑む達也。
手術は無事成功し、達也とイサカの間には信頼が生まれる。
「僕はずっとここにいます、いつでも来てください」という達也の言葉に、イサカは少し心が軽くなった様子だった。
達也の選択
前話で、アメリカの獣医大から「新しいプロジェクトに参加してほしい」とオファーを受けていた達也だったが、神楽坂で坂の上動物病院を続けることを決めた。
代わりに、アルバイト兼研修生の広樹(小龍望)を推薦すると伝えると、無邪気に喜ぶ広樹。
その様子をほほえましい表情で見つめる達也だった。
トキワの決断
トキワのもとにかかってきた電話は外務省からのもので、飛行機事故で7年間行方不明だった夫がアルゼンチンの病院で見つかったというものだった。
その話題はテレビのニュースでも報道され、息子の大地(矢村央希)へもトキワのくちから伝えられた。
「お父さんが帰ってくる!」と大喜びの大地と、対照的に少し複雑な表情のトキワ。
ほどなくして日本へ帰ってきた夫は、事故のショックで日本にいたときの記憶をなくしていた。
息子である自分の存在もわからなくなり、窓の外を見つめ続ける父と対面しショックを受ける大地。
あるとき、「大分に良い病院があるから、息子を転院させたい。」と義理の父に言われ、トキワの心は揺れ動く。
長年信じて待ち続けた夫の変わり果てた姿にショックを受け、転院先の大分についていく覚悟ができずにいた。
そんなある日、夫の病室から懐かしいメロディーが聞こえてきた。
それはかつてから夫が気に入って口笛していた曲で、トキワもしばしば帰らぬ夫を思って口笛したメロディーだった。
今では別人のように窓の外を見つめる夫のなかに、愛し合った夫の一部を感じたトキワは、大地を連れて大分についていくことを決める。
トキワの決心を聞いた達也は「少し遠いですね。寂しくなります。」と切ない表情でほほ笑む。
「ここにいた時間はきっとずっと私の宝物です」と言って涙を流すトキワを「笑って」と励ます達也。
二人は熱く握手を交わして分かれる。
母の介護と認知症のペットの世話を続けるイサカ、アメリカのチームに参加する広樹、夫について大分へ行くトキワ、そして坂の上動物病院で町の獣医師を続ける達也。
それぞれがそれぞれの思いを胸に新しい道を進もうとする姿に心打たれる最終話でした。
特に最後、達也がトキワの残したたくさんの仕事引継ぎメモのなかから「コオ先生、体に気を付けて頑張ってください。応援しています。」というメッセージを見つけ、それまでこらえていた涙を流すシーンは、達也のトキワへの愛情や、不器用な思いやりが感じられて、こちらも涙なしにはいられません。
人と人とのつながりに心がジンと温まる、そんなストーリーでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。