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アンナチュラルなど法医学ドラマの監察医や検視官の仕事の違いと現状

投稿日:

 

アンナチュラル1

 

今シーズン、石原さとみさん主演のドラマ『アンナチュラル』がはじまります。

法医学ミステリーで、好きなジャンルのドラマです。

今までも法医学関連のドラマはいろいろ観てきました。

でもドラマのタイトルにもなっているのに、「監察医」「検視官」「法医学医」の違いって、正直分かっていなくて、何となく観ていました。

違いを知ることで、今後法医学ミステリーを観る時の楽しみ方が増えるかもしれないなぁと思って、調べてみました。



 

 

法医学ミステリー ドラマ『アンナチュラル』

石原さとみさんが、法医解剖医の役です。

不自然死究明研究所、通称UDIラボで異常死体を引き受け、死因を究明するというドラマです。

・東京都23区外、西武蔵野市を中心に、全国津々浦々で発見された異状死体や犯罪死体を引き受けて遺体解剖を行っている

・警察や自治体から依頼されて運ばれてくる

この辺の設定を気にしながら、以下にまとめた内容を読んでいただくと、より理解が深まるように思います。

 

法医学医とは

簡単に言うと、事故や事件などの被害者の遺体を解剖して鑑定をする仕事です。

 

解剖にまわるまでの主な流れ

人が亡くなったあと、どのような流れで解剖にまわるのか、主な流れを簡単にまとめました。

 

医師による検案が行われる

人が死亡すると医師による検案が行われ、病死か変死(異常死体)か判断されます。

病死の場合

治療中の患者が治療中の傷病で亡くなった場合は、死亡診断書を書きます。

異常死体の場合

警察に報告されます。

 

検視官による検視で事件性の有無を判断する

アンナチュラル 検視

検視官は警察官の一職種で、あくまでも事件性の有無、死亡した原因を見極めるだけです。

実際に現場に足を運んで、第一発見者や家族に話を聞いたりもします。

事件性がある場合は解剖に回されます。

 

事件性がある場合は司法解剖を行う

警察からの依頼によって司法解剖を行います。

ドラマでも目にしますが、死因、傷の位置や程度、凶器の種類、死亡時刻など、その他必要なことを調べ、鑑定書を書いて報告します。

この業務は学識経験者に嘱託されています。

主に医科系大学の法医学専門家ですが、大学が近くにない場合は、臨床医家(多くは警察医)が行う場合もあります。

 

病死以外のすべての案件は行政解剖(監察医解剖)

監察医が行政解剖を行います。

監察医とは、行政解剖を行う専門の医師のことで、行政解剖は自治体により依頼されます。

監察医が置かれているのは政令で定める都市で、東京都区内および大阪、京都、横浜、名古屋、神戸、福岡です。

監察医が置かれていない地域は、大学の法医学教室が中心となり、監察医制度に準じた業務が行われています。

司法解剖との大きな違いは、司法解剖は事件性がある場合に行われる解剖であるのに対し、行政解剖は、死因が不明な場合に加え、伝染病や中毒、災害による死亡の疑いのある死体についても解剖を行うことです。

 

調べてみて、『アンナチュラル』の石原さとみさんの役は、上記の行政解剖にあたるのではないかと思いました。



 

 

法医学者の年収と3K、解剖の現状

法医学者は死体と向き合う大変な仕事です。

でも年収は700~900万と言われていて、同年代の医師と比べると少ないです。

その上、遺体解剖に10時間かかることもあり、危険、臭い、キツイ仕事として、3Kと言われています。

予算も限られていて、人手不足というのが現状のようです。

 

解剖については、日本は先進国のなかでも遅れています。

解剖率が低いため、死因の究明がなされなかったり、誤診をしていることもあると考えられています。

 

なお、もう少し詳しく次の記事で書いています。
よろしければこちらもどうぞお読みください。
 ↓
監察医と検視官仕事内容の違い、年収や3Kの現状、法医学者になるには

 

過去の主な法医学ミステリードラマ

過去に放送された法医学ミステリーのドラマから、主なものをピックアップしていました。

どれも見応えがあるドラマでした。

 

『BORDER』のスピンオフ

『BORDER 衝動〜検視官・比嘉ミカ〜』(2017)

原案・脚本:金城一紀

出演:波留、小栗旬

 

『ゼロの真実〜監察医・松本真央〜』(2014)

脚本:大石静

出演:武井咲、佐々木蔵之介、生瀬勝久、真矢みき

 

『ブルドクター』(2011)

脚本:橋部敦子

出演:江角マキコ、石原さとみ、稲垣吾郎、小日向文世、志田未来

 

『臨場』(2009)

脚本:尾西兼一

原作:横山秀夫

出演:内野聖陽、松下由樹

 

『ヴォイス〜命なき者の声〜』(2009)

脚本:金子茂樹

出演:瑛太、生田斗真、石原さとみ、時任三郎

 

『きらきらひかる』(1998)

脚本:井上由美子

原作:郷田マモラ

出演:深津絵里、松雪泰子、小林聡美、鈴木京香

 

テレビ朝日系で放送されているテレビドラマシリーズ『法医学教室の事件ファイル』は、連続ドラマのあと、今でも2時間ドラマとして、ときどき放送されています。名取裕子さんと、宅麻伸さんが夫婦役で出ているドラマです。

 

 

さて、いかがだったでしょうか。

『アンナチュラル』は、湊かなえさん原作のドラマを多く手がけた女性スタッフ陣が制作を担当しています。

脚本は野木亜紀子さん。

発想のきっかけは、内閣府主導で行われた死因究明等推進会議だという。

先進国の中で最低の解剖率である日本の現状を変えるべく、厚労省・文科省・警察庁が話し合いを重ねるも大きな成果はなく終了。

「もしこの時、死因究明に特化した公的な研究所が作られていたら……。」

というのがきっかけとのこと。

 

日本における解剖率の低さは、他のドラマでも描かれることがあります。

解剖されずに、本当の原因が分からないことや、誤診もあると言われています。

そんな背景も感じながら、ドラマを観たいと思います。

 

それでは、
最後までお読みいただきありがとうございました。



 

 

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