ブラックペアン原作あらすじとネタバレ･二宮主演ドラマ結末予想／海堂尊作
投稿日：2018年3月9日 更新日：
海堂尊さんといえば、 現役の医師で医療問題を取り上げた小説を書いています。
その海堂尊さんの「ブラックペアン1988」という小説が、二宮和也さん主演でドラマ化されます。
小説「ブラックペアン1988」原作のあらすじをまとめました。
ネタバレがありますので、ドラマのストーリーを楽しみたい方はご注意を。
また、原作とドラマの違い、ドラマの結末の予想もしています。
主な登場人物
・世良 雅志（せら まさし）
外科研修医
・渡海 征司郎（渡海、とかい せいしろう）
技術職人で手術にしか興味がなく、協調性はまったくない。
同僚からは「患者を生かし、医者を殺す」、「オペ室の悪魔」と言われている。
・佐伯 清剛（佐伯教授、さえき せいごう）
東城大学医学部総合外科学教室主宰教授。技術を追い求める食道癌の権威。
手術の時は、器械台に黒いペアン、ブラックペアンを用意している。
・渡海 一郎（とかい いちろう）
渡海 征司郎の父ですでに他界している。
17年前は、東城大学医学部で内科の講師をしており、佐伯教授とは信頼関係を築いていた。
原作では、様々な人間模様が描かれているので、登場人物はもっといますが、ストーリーの根幹となるのは、この4名になります。
ざっくりストーリー
ブラックペアンの原作では、主人公は研修医の世良です。
ペアンとは、「ペアン鉗子」の略で、手術の時に使うハサミのような形をしたものですが、刃はありません。
鉗子は物をつかんだり牽引したり、用途によって種類がありますが、ここでのペアン鉗子は止血用のペアンだと思われます。
世良の物怖じしない性格が気に入られるのか、渡海との関わりを深め、重要な場面に出くわしていきます。
そこで目撃したことが、世良の目線で書かれています。
製薬会社や医療機器メーカー、 厚生労働省との癒着など、様々な思惑が交錯するエピソードが盛り込まれていますが、本筋は復讐劇です。
佐伯教授が東城大学医学部の外科助教授、渡海征司郎の父である一郎が内科の講師だった頃に起こったできごとに、話しが集約されていきます。
当時、佐伯教授と一郎は、信頼関係で結ばれている間柄でした。
しかし、17年前に起こったある出来事をきっかけに、一郎は大学を追われてしまいます。
父の一郎が大学を追われたのは、佐伯教授の裏切りによるものだと思っている一郎の息子 渡海征司郎が、佐伯教授への復讐をとげようとするストーリーです。
そして、本のタイトル「ブラックペアン」は、佐伯教授が使用する黒いペアンのことです。
佐伯教授にとって、ブラックペアンはどのような意味があるのかが、最後に明かされます。
ある出来事とは
17年前のこと。
クローン病で佐伯教授（当時は助教授）が直腸切除した、飯沼という患者がいた。
その飯沼氏が、佐伯教授が海外の学会で留守にしている際中に、緊急で外来にやってくる。
佐伯教授が留守だったため、飯沼氏を診たのが、渡海征司郎の父、一郎だった。
一郎は、佐伯教授から留守を任されていた。
一郎は X 写真を撮り、腹部にペアンが残されていることを発見する。
担当の佐伯教授が海外の学会に行っていたため、一郎は上司に手術をしてくれるように直訴する。
上司は、腹部にペアンが残されていることを、佐伯教授から報告を受けていた。
全て承知の上で隠蔽していたのだった。
上司は、手術することを取り合わなかったが、一郎の熱意に打たれ、出張中の佐伯教授が了承すれば再手術をする、というところまでこぎつける。
当時、国際電話が普及していなかったため、電報でやり取りをした。
佐伯教授からの返事は「イイヌマシノペアンテキシュツオコナウベカラズ」だった。
「飯沼氏のペアン摘出行うべからず」
当時、佐伯教授の言葉は絶対だった。
その佐伯教授の意に反し、手術をしようと上司に直訴した一郎の行為は、大学病院の中で非常識とみなされ、一郎は関連病院に飛ばされたのだった。
ネタバレ
クライマックス
渡海は、父一郎が、大学を追われる原因となった患者、飯沼氏を探し出していた。
渡海は、佐伯教授が留守にする時に、飯沼氏の腹部からペアンを取り出す手術を計画していた。
17年前の隠蔽を表沙汰にし、佐伯教授を没落させるためである。
佐伯教授は北海道での学会のため、不在となる予定があった。
この機会を待っていた渡海は、手術の段取りをつける。
そしていよいよその日がやってくる。
渡海は手術開始直前に、学会先にいる佐伯教授に電話をかけ、飯沼氏の腹部からペアンを取り出す手術をすると告げる。
佐伯教授は手術をやめるように告げるが、渡海は聞き入れず電話を切ってしまう。
そして手術が始まる。
ペアンは癒着しており、取り出すのに時間がかかっていた。
やっとペアンにたどり着き、取り出す直前に手術室に佐伯教授が入ってくる。
北海道の学会に参加していた佐伯教授が、戻ってくるのは不可能に近かった。
しかし佐伯教授は、様々なつてを頼って、帰ってきたのだ。
佐伯教授が止めるのも聞かず、渡海はペアンを取り出してしまう。
ペアンを取り出した後に出血が始まる。そして出血は止まらない。
このペアンは仙骨前面静脈叢からの出血を止めるために、意図的に残していたものだったのだ。
佐伯教授は、ブラックペアンを手に取り、飯沼氏の体の中へ沈めた。
出血はとまり、そのまま閉腹した。
佐伯教授の告白
佐伯教授は、飯沼という患者の手術をした際、仙骨前面の静脈叢からの出血を止められず、やむを得ずペアンを体内に残したまま閉腹した。
そのことを患者と患者の家族に告げていなかった。
佐伯教授は、海外の学会で留守にする間を、信頼していた渡海征司郎の父、一郎に頼む。
その佐伯教授の留守中に、飯沼氏が体調不良で病院を訪れた。
対応にあたった一郎は、レントゲンを撮り、取り残されていたペアンを発見してしまった。
当時は国際電話が普及しておらず、佐伯教授は電報で連絡を受けた。
詳細は日本へ戻ってから説明しようと思い、「ペアンを取り除く手術をしてはいけない」という電報を、取り急ぎ打ったのだ。
しかし事情を知らない一郎は、ペアンを摘出する手術を行うために奮闘していた。
立場を忘れて上層部に直訴した結果、佐伯教授が学会を終えて戻ってきた時には、一郎はすでに大学を追われていた。
佐伯教授が一郎を探し出した時には、一郎は離島の医者になっていた。
大学に戻ってほしいと頼んだが、一郎は戻るつもりはないと言う。
その代わり託されたのが息子、征司郎だった。
最後に一郎から、「征司郎を一人前の外科医にして欲しい」と頼まれたのだった。
ブラックペアンの意味
ブラックペアンは特注のカーボン製だった。
レントゲンには映らず、火葬されたら一緒に燃えて後には残らない。
ブラックペアンは、同じ出来事を繰り返してはならないと言う、佐伯教授自身への戒めのための物だった。
また、同じような事が起こった時のために、用意したものでもあったのだ。
佐伯教授は、ブラックペアンを使うときは、外科医を辞めるときだと覚悟していた。
結末
全てを知った渡海、今回の件の責任を取るために、自ら病院を辞める。
渡海に「今更辞めれば済むと思っているのか」と憎まれ口をたたかれ、佐伯教授は病院に残る。
渡海征司郎の消息は、杳として知れない。
原作は、ここで終わっています。
二宮和也のドラマ「ブラックペアン」
原作とドラマの違い
ドラマでは配役が次のように決まっています。
渡海征司郎：二宮和也
世良雅志：竹内涼真
佐伯清剛：内野聖陽
二宮和也さんが主役の渡海を演じるということで、どんな渡海になるのか楽しみです。
憎まれ口をたたく渡海を演じている二宮和也さん、なんとなく想像がつきます。
原作は、研修医の世良が主人公ですが、ドラマは二宮和也さんが主役です。
また二宮和也さん演じる渡海は、原作の中では、復讐を果たすことを目的としています。製薬会社との癒着もあり、立場を利用します。技術職人と表現され、「孤高」とは言われません。
ドラマでは孤高の天才外科医として描かれ、組織や医療業界、それぞれの思惑、プライドなどとの闘いがあるようです。
ドラマは、原作とは違う「大学病院の闇に立ち向かう渡海」という設定なので、原作よりは正義感のある「孤高の天才外科医」という位置づけなのかな、と感じました。
ドラマ「ブラックペアン」の結末予想
原作では、最後渡海の行方は、分からない形で終わっています。
原作通りに演じている二宮和也さんも想像できますが、ドラマや映画では、原作通りに終わらないことも多いです。
また、二宮和也さんが主演ということもあり、もう少し印象の良い終わり方になるのではないかなーと、個人的に思っています。
具体的には、手術の一切の責任を取り、大学病院を辞めた渡海が、父親が勤務していた離島の病院で働いているシーンで終わる、というストーリーはどうでしょうか？
あくまでも私の希望と予想ですが。
最後どんな結末になるのか、ドラマを楽しみにしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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