ザギトワ&メドベージェワエレメンツ点数比較女子フィギュアFS/平昌五輪
投稿日:2018年2月26日 更新日:
別の記事で、女子フィギュアスケート・シングルの選手、アリーナ・ザギトワ選手とエフゲニア・メドベージェワ選手の、ショートプログラムについて比較しました。
今回は、ザギトワ選手とメドベージェワ選手の、フリープログラムのエレメンツを比較してみたいと思います。
ジャンプの難易度
ジャンプは、難易度の難しい順に、次の通りです。
①アクセル
②ルッツ
③フリップ
④ループ
⑤サルコウ
⑥トウループ
フリープログラム・エレメンツ点数
フリー:アリーナ・ザギトワ(OAR)
フリーの合計点数は、アリーナ・ザギトワ選手とエフゲニア・メドベージェワ選手で同点でした。
表中の「順」はプログラムの中で行った順番です。
順 | エレメンツ | 基礎点 | GOE | 記録 | ||
1 | コレオ シークエンス レベル1 | 2.00 | 1.70 | 3.70 | ||
2 | フライング キャメル スピン レベル4 | 3.20 | 1.07 | 4.27 | ||
3 | ステップ シークエンス レベル4 | 3.90 | 1.80 | 5.70 | ||
4 | 3回転 ルッツ | 6.60 | 0.50 | 7.10 | ||
5 | ダブル アクセル + 3回転 トーループ | 8.36 | 1.40 | 9.76 | ||
6 | 3回転 フリップ + 2回転 トーループ + 2回転 ループ | 9.24 | 1.20 | 10.44 | ||
7 | レイバック スピン レベル4 | 2.70 | 1.07 | 3.77 | ||
8 | 3回転 ルッツ + 3回転 ループ | 12.21 | 1.70 | 13.91 | ||
9 | 3回転 サルコ― | 4.84 | 1.40 | 6.24 | ||
10 | 3回転 フリップ | 5.83 | 1.70 | 7.53 | ||
11 | ダブル アクセル | 3.63 | 0.57 | 4.20 | ||
12 | 足換えの コンビネーション スピン レベル4 | 3.50 | 1.50 | 5.00 | 演技点 | トータル |
計 | 66.01 | 15.61 | 81.62 | 75.03 | 156.65 |
フリー:エフゲニア・メドベージェワ(OAR)
メドベージェワ選手のエレメンツの得点です。
順 | エレメンツ | 基礎点 | GOE | 記録 | ||
1 | 3回転 フリップ + 3回転 トーループ | 9.60 | 1.40 | 11.00 | ||
2 | 3回転 ルッツ | 6.00 | 1.60 | 7.60 | ||
3 | フライングからの 足換えの コンビネーション スピン レベル4 | 3.50 | 1.07 | 4.57 | ||
4 | ステップ シークエンス レベル4 | 3.90 | 2.00 | 5.90 | ||
5 | 3回転 フリップ | 5.83 | 1.90 | 7.73 | ||
6 | 3回転 ループ | 5.61 | 1.70 | 7.31 | ||
7 | ダブル アクセル + 2回転 トーループ + 2回転 トーループ | 6.49 | 0.79 | 7.28 | ||
8 | 3回転 サルコ― + 3回転 トーループ | 9.57 | 1.60 | 11.17 | ||
9 | ダブル アクセル | 3.63 | 0.71 | 4.34 | ||
10 | コレオ シークエンス レベル1 | 2.00 | 1.80 | 3.80 | ||
11 | 足換えの コンビネーション スピン レベル4 | 3.50 | 1.14 | 4.64 | ||
12 | レイバック スピン レベル4 | 2.70 | 1.14 | 3.84 | 演技点 | トータル |
計 | 62.33 | 16.85 | 79.18 | 77.47 | 156.65 |
フリープログラム点数差比較
基礎点 | 基礎点差 | GOE | GOE点差 | 技術点 | 技術点差 | 演技点 | 演技点差 | FS点 | |
ザギトワ | 66.01 | +3.68 | 15.61 | ― | 81.62 | +2.44 | 75.03 | ― | 156.65 |
メドベージェワ | 62.33 | ― | 16.85 | +1.24 | 79.18 | ― | 77.47 | +2.44 | 156.65 |
GOEの合計も演技構成点も、メドベージェワ選手の方が上回っています。
ザギトワ選手は難易度の高いジャンプと、後半にジャンプを跳んだため、基礎点が高くなりました。
その辺りが「フィギュアスケートとしてはどうなのか」と言われている理由なのでしょう。
確かにそうかもしれません。
難しいジャンプや、後半にジャンプを集めることは、やはり体力がある若い人に有利だと思います。
でもその代わり、芸術面やスケーティングの技術は、年を重ねるごとに厚みをましていくような気がします。
その弱点をザギトワ選手は、基礎点で補ったということなのかな、と思います。
ルールから外れているわけではないし、誰が悪い訳でもないのでしょう。
もし問題があるのなら、ルール改正で解決していくのだろうと思います。
同エレメンツで比較してみた
ザギトワ選手と、メドベージェワ選手が行ったエレメンツの中で、同じものを並べて比較してみました。
・3回転ルッツ
順 | エレメンツ | 基礎点 | GOE | 記録 | |
メドベージェワ | 2 | 3回転 ルッツ | 6.00 | 1.60 | 7.60 |
ザギトワ | 4 | 3回転 ルッツ | 6.60 | 0.50 | 7.10 |
・ステップ シークエンス レベル4
順 | エレメンツ | 基礎点 | GOE | 記録 | |
メドベージェワ | 4 | ステップ シークエンス レベル4 | 3.90 | 2.00 | 5.90 |
ザギトワ | 3 | ステップ シークエンス レベル4 | 3.90 | 1.80 | 5.70 |
・3回転フィリップ
順 | エレメンツ | 基礎点 | GOE | 記録 | |
メドベージェワ | 5 | 3回転 フリップ | 5.83 | 1.90 | 7.73 |
ザギトワ | 10 | 3回転 フリップ | 5.83 | 1.70 | 7.53 |
・ダブルアクセル
順 | エレメンツ | 基礎点 | GOE | 記録 | |
メドベージェワ | 9 | ダブル アクセル | 3.63 | 0.71 | 4.34 |
ザギトワ | 11 | ダブル アクセル | 3.63 | 0.57 | 4.20 |
・コレオ シークエンス レベル1
順 | エレメンツ | 基礎点 | GOE | 記録 | |
メドベージェワ | 10 | コレオ シークエンス レベル1 | 2.00 | 1.80 | 3.80 |
ザギトワ | 1 | コレオ シークエンス レベル1 | 2.00 | 1.70 | 3.70 |
・足換えの コンビネーション スピン レベル4
順 | エレメンツ | 基礎点 | GOE | 記録 | |
メドベージェワ | 11 | 足換えの コンビネーション スピン レベル4 | 3.50 | 1.14 | 4.64 |
ザギトワ | 12 | 足換えの コンビネーション スピン レベル4 | 3.50 | 1.50 | 5.00 |
・レイバック スピン レベル4
順 | エレメンツ | 基礎点 | GOE | 記録 | |
メドベージェワ | 12 | レイバック スピン レベル4 | 2.70 | 1.14 | 3.84 |
ザギトワ | 7 | レイバック スピン レベル4 | 2.70 | 1.07 | 3.77 |
比較できたエレメンツの中では、「足換えの コンビネーション スピン レベル4」以外は、メドベージェワ選手のGOEの方が点数がよいです。
演技構成点でもメドベージェワ選手の方がザギトワ選手を上回っています。
その分をザギトワ選手は、ジャンプの基礎点で点数を稼いだということになります。
ちなみに基礎点の差は、3.68です。
この差をメドベージェワ選手は、出来栄えや演技構成点で補い、フリープログラムでは同点に持ち込みました。
難しくて、辛いジャンプを跳んだザギトワ選手、技術の高さと演技でみせてくれたメドベージェワ選手、どちらにも拍手を贈りたいです。
素敵な演技をありがとう。
それでは、
最後までお読みいただきありがとうございました。