映画コーヒーが冷めないうちに|あらすじネタバレと感想・冷めたらどうなる?
投稿日:2018年11月3日 更新日:
今回は小説家の川口俊和原作の映画、「コーヒーが冷めないうちに」のあらすじやネタバレを含めながら、鑑賞後の感想をまとめました。
あらすじ
とある街のとある喫茶店「フニクリフニクラ」。そこには、不思議な都市伝説がありました。
それはある席で、店員の時田数だけが淹れられるコーヒーを飲むと、望んだとおりの時間に戻ることができるというものです。
噂を聞きつけた老若男女がお店へと足を運びます。
しかし、いくつかのルールがあり、それを聞いたお客たちはなかなかあと一歩が踏み出せないのでした。
<過去に戻る場合のルール>
1. 過去に戻って、どんな事をしても、現実は変わらない。
2. 過去に戻っても、喫茶店を出る事はできない。
3. 過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。 コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
4. 過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
5. 過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない人には会う事ができない。
この不思議な喫茶店に訪れるお客たちと、喫茶店の店員を演じるのはいまをときめく豪華俳優陣の皆さんです。
変わることのない未来を知った上で、過去に戻るとはどういう意味なのでしょうか、、、?
豪華俳優陣ってだれ?気になるキャスティング
時田数(有村架純)
新谷亮介(伊藤健太郎)
清川二美子(波瑠)
賀田多五郎(林遣都)
時田流(深水元基・店主であり数の従兄)
平井久美(松本若菜)
高竹佳代(薬師丸ひろ子)
平井八絵子(吉田羊)
房木康徳(松重豊)
謎の女(石田ゆり子)
塚原監督初作品となる本作ですが、制作陣は有村架純さんをはじめに起用したそうです。
そして、有村さんとこのストーリーを軸に、ぴったりハマるキャスティングが進められていったそうです。
冒頭では、有村さんの憂いを帯びた表情が多く、いつもと違う印象…と思って見ていたら、それが中盤で一転します。
中盤から見せるはにかんだ笑顔のシーンは、きっと男女問わずきゅぅぅん♡となってしまうでしょう。
ネタバレ。コーヒー冷めたらどうなるの?
まずはネタバレを。
この映画では4つのエピソードがそれぞれ交わるように描かれています。
時田数は、コーヒーを飲む客に、都度「コーヒーが冷めないうちに、必ず飲みきってください」とお客をまっすぐ見つめ、伝えます。
エピソード1:幼馴染で素直になれない男女
二美子(波瑠)と五郎(林遣都)は幼馴染、互いに両想いと薄々感じていても確信は持てず、いつもケンカばかり。
あるとき五郎が仕事で海外行きを決めてしまいます。が、この日も素直になれずケンカ別れ。
悩んだ二美子は疑いながらも数の淹れたコーヒーで過去へ戻ります。
しかしせっかく戻った過去でも素直になれず、五郎は店をあとにしてしまい、コーヒーを飲みきり現在へ戻ります。
どうしても諦めきれない二美子は、ようやく勇気を振り絞り、海外にいる五郎へ会いに行くのでした。
二人はついに結ばれます。
エピソード2:アルツハイマー病の妻からの手紙
毎日この店に来ては、例の席が空くのを待っているアルツハイマー病の女性、佳代。
夫に渡したい手紙があると数に言います。その夫(房木)は毎日夕方になると、看護師として迎えに来ているのに。
自分を忘れているならば、夫ではなくただの看護師としてでも接していられればいいんだ、房木は自分に言い聞かせていました。
それを聞いた数と流は、過去に戻りまだ記憶がある頃の佳代に会うよう勧めます。
そうして出会えた佳代は、夫が未来から来たことを悟ります。
手紙には、優しさから私を患者として扱わないでくれとあり、房木はハッとします。
そして、佳代に戸惑われても、あなたは僕の妻ですと恐れずに話しかけ、二人は夫婦として生活を再スタートするのでした。
エピソード3:姉妹の絆
フニクリ・フニクラの常連客の八絵子(吉田羊)は、実家の旅館を継ぐのが嫌で逃げるように上京し、スナックを経営しています。
実家に残された妹の久美(松本若菜)は、手紙を送り、新幹線に乗り八絵子を呼び戻そうとします。
八絵子は、久美にに夢を諦めさせ旅館を押し付けてしまったことを、さぞ怒っているだろうという罪悪感で一切応えません。
ある日、久美が事故にあい亡くなったと知らせが入ります。
その日も久美が、自分に会いに来る途中だったと知った八絵子は、ルールをわかっていながらも数に頼み過去へ戻ります。
亡くなった人に会うときは、感情に負けやすい。だからアラームをかけます。
「これが鳴り止む前に必ずコーヒーを飲みきってください」と念を押されます。
そうして久々にまともに会った久美から、私の夢はお姉ちゃんと一緒に旅館を継ぐことと聞き、大きな勘違いに気付かされます。
そしてアラームが響く中、事故の時間に外出するなと伝え、ギリギリセーフでコーヒーを飲みきるのでした。
残念ながら、未来は変わっていませんでした。ふっきれた八絵子は旅館を継ぐ決断をします。
エピソード4:母の想い
ゆっくりと亮介と惹かれ合っていった数は、妊娠します。
亮介も流も喜んでくれているのに、浮かない表情の数。理由はあの席の女性(石田ゆり子)、正体は数の母でした。
冷めてしまったコーヒー
過去に戻れるコーヒーを淹れることができるのは、時田家の女だけ。
数が子供のころ、初めて淹れたコーヒーで母は帰らぬ人となります。
ルールを一番良くわかっていたはずの母は、コーヒーを冷ましてしまいました。
それ以降、あの席に座り続ける幽霊として過去をずっと彷徨っているのです。
自分のせいで母はこうなってしまったと責める数に、流も気にするなとは声をかけるものの、なす術がなくヤキモキするばかり。
自分で自分を過去に戻せないと嘆く数を亮介は献身的に支え、希望を見つけます。
それは、数のお腹の子が女の子だった場合、彼女も時田家の女。未来で数の娘が数にコーヒーを淹れ、母が幽霊になる前にもどしてあげられたら、、、?
亮介はこの提案の詳細を伝えずに、店をしばらく休んでいた数に明日8時前に喫茶店へ行くようにとだけ伝えます。
翌日、数が店へ入るとそこには見知らぬ制服姿の女の子がキッチンに立っています。
数:「あなたはだれ?」
ミキ:「わたしはミキ!未来と書いて、ミキ!」
数:??
とわけもわからないまま、未来から来た数の娘だとも知らずにコーヒーを淹れられ、数は母との思い出の日へ無事戻るのでした。
数は母が、当時すでに亡くなった父に会いに、つまり過去に行きそのまま父を選んだから自分は置いてきぼりになったと思っていました。
ところが、真相は異なります。
当時母は、自分が残り僅かな余命の病気でしたが、まだ幼い数にはとても打ち明けられず、それで自分がいない未来の数が心配になり、余命の3カ月先に様子を見に行ったのでした。
その際、怪我をした数を助けるためにコーヒーを飲みそこねてしまったのです。
母に対する誤解が溶けて安心する数にアラームがなります。
帰りたくないと感情的になる数に、母は今、あなたの周りに大切な人がいることを忘れないで、と背中を押し無事現在に帰るのでした。
亮介の考えは無事に成功し、数は亮介と向き合い元気な女の子の赤ちゃんを産みます。
亮介:「名前、どうする?」
数:「未来と書いて、ミキ。あの子がそう言ったの。」
ネタバレ長かったですが、とにかくコーヒーが冷めちゃったらお化けになってしまうのです。
もう一生戻ってこれません、ということでした。
だから数は、もう母の時のような思いはしたくない!という気持ちがありコーヒーが冷めないうちにと繰り返しお客さんに伝えていたのですね。
主題歌は?
涙腺緩むシーン連続のこの映画、主題歌も気になりましたので調べました。
主題歌はYUKIさん「トロイメライ」です。
日々の選択の後悔や過ちは誰にもあること。
それを、後悔しながらもお互いを赦し合い、前を向いて行けたらとコメントされています。
感想
「4回泣けます」が映画のキャッチコピーでしたが、筆者は2回でした(^^; これは、人それぞれですかね。。。
アルツハイマー病のような記憶モノは弱いのです。感動不可避です。
何より、松重豊さんの演技が素晴らしい。佳代から「未来ではもうあなたのことも忘れちゃってるの?」との問いに「そんなことないよぉぉ涙」のシーンで涙がダーッと(泣)
そして、「あなたって嘘がヘタねぇ」、でまたダーッ(泣)でした。
もう一つは、石田ゆり子さんの「数が大好きよ」のシーン。
母のことを、信じられなくなっていた数にとって、とても欲しかった言葉だったでしょう。
確かにあんなこと言われたら、数のようにもう離れたくない!と思ってしまいますね。
「未来が変わらないなら過去に戻ったってしょうがないさ」と、喫茶店を訪れる多くの人が帰ってしまうと数のセリフがあります。
でも、ここで過去に戻った人はみんな、過去を受け入れてちゃんと前を向いて、自分と大切なひとに向き合っています。
気持ち一つなんだけど、それを整理する、背負っていく、過去から現在へ帰ってきた全員が清々しい表情だったのも印象的でした。
数の娘のみきちゃんが、数のようにおしとやかな感じが全然なく、天真爛漫な雰囲気だったのもちょっと和みましたね。
愛されて育った感じです。数もきっとお母さんとずっと暮らしていけたらこんな明るい子になっていたかもと思うと、やっぱりトラウマが開放されて良かったねとほっこりです。
こんな記事もあります。
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観終わったあと、間違っても恥かいてもいいから、ちょっとだけでも後悔のないように日々を過ごしたいなと感じました。
あと、思いっきり泣くこともたまには大事だな、ということを感じたい方は、ぜひ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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